第九章


 ライアンは研究室のある二階へ向かい、階段を駆け上がっていく。
 ハワードはエレナを抱えているカイルを誘導しながら、ビルの出口へと走った。
 しかし、出口付近で組織の関係者の男二人と出くわしてしまい、道を塞がれてしまった。
「お前達は何者だ? 博士の娘をどこへ連れて行くつもりだ」
「Dに頼まれた。病院へ連れて行く。そこをどけてくれ」
 ハワードが冷静に言った。
 自分はまだ顔を知られていない、Dの関係者と思われれば、どさくさに紛れて、突破できるかもしれない。
「Dに頼まれた? それは本当か」
「ああ、本当だ」
 そこは嘘をついてないから堂々と言えた。
 男二人は首を傾げ、お互いを見合わせ思案していた。
「とにかく先を急いでる」
 ハワードはこれならいけると思い、カイルを擁護しながら、出口を突破しようとしたその時、奥から銃声が聞こえ、男達二人に緊張が走った。
「ちょっと待て、一体何が起こってるんだ?」
 やはり訓練されているだけに、すぐに懐から銃が飛び出し、ハワードとカイルの動きを封じ込められた。
 その直後、通信機を取り出し、仲間を呼ぶために連絡を入れた。
「ハワード、やばいよ、なんとかしてくれ。探偵だろ。銃くらい持ってないのか」
「残念だが持っていない」
 絶体絶命のこの危機に何ができるか、ハワードは鋭い目を光らせる。
 すぐ側の壁に置かれていた赤いものにピントがあった。
「カイル、伏せろ」
 ハワードは消火器を手に取り、素早く目の前の男たちに向ってぶちまけた。
 男たちは不意をつかれ動きが鈍り、ハワードは尽かさず消火器を一人の男の顔目掛けて激しく殴った。
 もう一人には蹴りを入れ、応戦する。
 ハワードもまた過去に訓練を受けていたことがあるのか、その戦いぶりは様になっていた。
 そして、床に倒れた二人から、すばやく銃を奪った。
 ハワードの機敏な動きはカイルを唸らせた。
「ハワードすごいじゃないか」
「カイル、時間がない。今の連絡で他にも追っ手がくるだろう。早く車に戻ろう」
 カイルはしっかりとエレナを抱き抱え、床の上で消火器のピンクの粉まみれになって伸びている男達二人を尻目に、出口に向かった。
 車に到着すると、急いで後部座席にエレナを座らせ、シートベルトをで固定した。
 その時、くるんでいた毛布がずれ、エレナの肩と胸の谷間あたりが露出してしまい、ドキッとするも、そこにあった痣に目を捉われ、驚きを隠せなかった。
「エレナ、こんなに無理をしてたのか」
「カイル早くしろ。異変を感じて追っ手がやって来る」
 ハワードが叫んだ。
 前方から、車が数台やってきている。
「でも、博士とライアンがまだ」
 これでは逃げ切れる自信がない。
 カイルはこの上なく不安と恐怖に襲われて、感情が突き刺すように体を刺激した直後、ふと目に入ったものにはっとして、何かがはじけ飛んだ。
「僕はあれに乗って、敵を追い払う」
 急に冷静になり、落ち着いた声で言った。
 ハワードはカイルの指さした方向を見て驚いた。
 そこには小型軽飛行機が置いてあった。
「あれに乗るって、お前、飛行機操縦できるのか」
「ああ、僕はパイロットになりたかったんだよ。あれぐらい操縦できる。コンピューターゲームでよく練習した」
 ハワードは驚きのあまり声がでなかった。
 コンピューターゲームで練習しただけで、果たして本物が操縦できるのだろうか。
 カイルの性格から考えれば、それは無謀過ぎるとも思えるが、この切羽詰った状況では、無茶をしたくなる気持ちにもなってしまう。
 結局ハワードは止める事もできず、カイルはすでに飛行機に乗り込もうとして走っていた。
 ハワードはとにかく、運転席に乗り込み、車のエンジンをかけた。
 その時、出口から封筒を胸に抱いたダニエルが出てきたのが目に入り、ハワードはすぐに車で近づいた。
「博士、早く乗って」
「しかし、ライアンがレイの様子を見に行くとか言って、まだ中に……」
「レイが一緒なら大丈夫だ」
 ダニエルは助手席に乗り込み、ハワードは車を走らせた。
 その時、前方で飛行機が宙に浮いているのが見えた。

 パイロット志願だった子供の頃の夢を叶えようと、カイルの高鳴る気持ちは自信と共に体中に力が漲った。
 失敗するとは思えず、この時、これでしか応戦できないと思うと、カイルは笑みを浮かべて興奮しては、自分の殻を突き破る思いに駆られた。
 縛り付けていた枷がはずれるように、カイルは思いっきり気持ちを解放し、我武者羅に動いてしまう。
 気持ちが大きくなっている時は恐れが全くない。
 飛行機は、カイルの思うままに動き出した。
「行くぜ!」
 この時ばかりは、冒険心に満ち溢れた怖いもの知らずのカイルとして、普段見せない羽目を外した少年の目をしていた。
 それは生き生きとして輝き、我慢していたものは爆発して狂喜にみちている。
 後の事など考えられず、やりたい事に情熱を注ぐその感情は、アドレナリンたっぷりに表情が恍惚として麻痺していた。
 イメージトレーニングしていただけあって、その操縦振りは中々のものだった。
 やりたかったことがやれた気持ちよさも手伝って、この時のカイルには危険という恐れがない。
 思うままに操縦し、そして向かってくる敵の中へと突っ込む。
「なんて気持ちいいんだ。ようーしやってやる!」
 その表情は最高に笑っていた。
 突然低飛行で向かってくる飛行機に、車は恐れをなして進行方向を乱された。
 カイルは無我夢中で敵を追い払い、そしてタッチアンドゴーまでする快挙だった。
「イエス!」
 すっかり日が暮れているのも、飛行機が突然暗闇から突っ込んでくる恐怖を、追っ手に味合わせるには充分な効果となっていた。
 カイルの奮闘は暫く続いた。

 少し遡ってのライアンの行動だが、ダニエルを救いに銃を持って研究室に向かい、そこで途方にくれてるダニエルを見つけた。
「コナー博士、助けに来たぜ。エレナも今避難しているところだ。博士も早くここを離れて」
「君は、エレナと一緒に来ていた……」
「ライアンです」
「ライアン、色々と迷惑掛けてすまない」
「それは無事にここから出てから言ってくれ」
 ダニエルと部屋から出ようとしたその時、銃声を聞いて二人ははっとした。
「今の銃声は……」
「あれはレイが撃ったのかもしれない」
「レイは大丈夫なのか」
「あいつなら、きっと大丈夫だって。あの男はタフな野郎だから」
 ライアンは笑みを見せ、そしてダニエルを連れて部屋を出た。
 緊張の中、廊下を走り、一階に下りてみれば、出口付近で二人の男が消火器にまみれて倒れているのが目に入った。
 ハワードがやったに違いないとライアンはすぐに想像できた。
「博士、外に俺の仲間がエレナと一緒にいる。先に逃げてくれ。俺はレイの様子を見てくる」
「ライアン!」
 ライアンが建物の奥に走っていくと、ダニエルは、仕方がないと出口に向かって外に出た。

 Jから奪った銃を持ち、ライアンが部屋に入り込んだ時、そこでレイとJが取っ組み合いをしているのが目に入った。
 どちらも引けを取らない派手なやりあいに、ライアンは圧倒された。
 その二人の少し離れた先に、レイの銃が落ちていた。
 二人はそれを手に入れようとしながら、応戦を繰り返し、殴っては掴みかかり、片一方が銃に手を伸ばせばもう一方が邪魔をする。
 ライアンの目には互角に見えた。
 先ほどの銃声は、レイが撃ったものに違いないが、外したのか、それともJが予想もつかない行動で応戦したのか、どっちにしろそう見れる部分が残っている。
 レイは右手の甲から血を流し、Jは腕から血が出ていた。
 ナイフも床に落ちているところを見ると、おそらくJが咄嗟に隠し持っていたナイフをレイに投げ、レイは発砲する角度がずれて撃ち損ねたのだろう。
 どちらも殺しのプロである以上、絶体絶命の危機管理は徹底して、最後までその戦いは放棄しないものがある。
 その殺気立った凄まじさを目の前にライアンは固唾を飲んだ。
「お前とは殺す前に本気でやり合いたかった」
 Jのパンチがレイの頬に当たる。
「それはこっちもそうだ。リーダー風を吹かすお前の鼻をへし折りたかった」
 レイのパンチもJの頬を直撃した。
 ライアンはレイを助けたく、持っていた銃を構えた。
「動くな!」
「ライアン、何をしている。早く逃げろ」
「レイを放っておいて逃げられるかってんだよ」
「銃を持っていても、お前の敵う相手じゃない」
 銃を持っているだけでライアンは自分が有利と思い込んでいる。
 レイはそれを懸念していた。
「そこのお前! ゆっくりと壁に向かって、後ろに下がれ。変な真似すると撃つぞ」
 Jは床に落ちてる銃をちらりと見ながら体制を整え、背筋を伸ばしてまっすぐ立ち、そしてゆっくりと後ろに下がり、絵が掛かっている壁際へと向かった。
 その時、不適に笑みを浮かべライアンを嘲笑っていた。
 ライアンは銃をJに向けたままゆっくりと移動し、床に落ちていた銃を拾おうとする。
「スタークの息子よ、銃を扱ったことがあるのか?」
「そんなものテレビや映画観てたらわかる」
 ライアンは床の上の銃を拾い、それをレイに投げようとした時だった。
 Jは壁に掛かっていた額縁の絵を取り外してそれをライアンに投げたかと思うと、素早い動きで突進していた。
 物が飛んできて、不意打ちをくらったライアンは、銃をレイに渡し損ね、その状況に咄嗟に対応できずに動きを封じ込められて動けなくなっていた。
 レイはライアンが投げた銃をなんとか手にしたものの、体制を整えた時には、ライアンはJに取り押さえられ、銃を奪われそうになっていた。
「ライアン!」
 レイはライアンを助けようと銃を構えたが、すでにJはライアンが持っていた銃を奪い、ライアンの首に腕を回し羽交い絞めにしている。
 ライアンは盾のようになり、レイはすぐさま発砲できないでいた。
「さて、形勢は逆転した訳だ」
「くそっ!」
 ライアンは、銃を頭に突きつけられ、身動きできないために悪態ついて悔しがった。
「やるなら私一人で充分だろう。そいつを放せ」
 レイはJに銃を向けるのをやめていた。
「Dにしてはなんとも情けない状況だな。非情でありながら、ここでこいつを庇うために自分の身を提供するとは、お前らしからぬ」
 Jはそれを面白がり、さらにライアンの頭に銃を突きつけ安全装置をはずす。
 カチっという音が、ライアンの背筋を寒くした。
「J、やめろ!」
「こいつを助けたかったら、お前の銃をこちらに投げろ」
 レイは迷うことなく、銃をJの足元に投げた。
「なんでだよ、なんでこんな奴の言うことなんか聞くんだよ。俺の事嫌ってるんじゃないのか」
 自分のせいでレイが危ない目に遭うのが我慢ならないライアンは、騒ぎまくった。
「煩い奴だな。黙れ!」
 ライアンは首を腕で締め上げられ、足がつま先立ちになり、苦しみもがく。
「やめろ、J!」
 レイが訴えている姿を、意識が遠のく中でライアンは見ていた。
 しかし寸前のところで降ろされ、ライアンは急に吸い込んだ空気で思いっきり咳き込んだ。
 苦しそうにしているライアンからJはいきなり手を離せば、ライアンの足に力が入らず、簡単に床に崩れ落ちた。
 その時思いっきりJに背中を踏んづけられ、ライアンは呻き声を上げて床にうつぶせになった。
「くそっ!」
 苦しみながらも悪態をつく。
 手を伸ばせば届きそうなところに、レイが投げた銃がある。
 なんとかそれを手にしたいと模索する。
 朦朧とする中、手を伸ばした時、Jは容赦なく銃を向け、そして銃口が火を噴いた。
 それはライアンの右肩に当たっていた。
 突然の焼けるような激痛にライアンは喉が裂けるくらいに声を張り上げた。 
 レイもまた、目を見開き、ライアンが撃たれたことに取り乱してしまう。
「ライアン!」
 レイが叫ぶ。
 ライアンは肩から熱い血がどくどくと流れていくのを感じ、痛みと恐怖で喘いではパニックになっていた。
「安心しな、かすっただけで急所は外してある。こういうガキは一度痛い目に合わないと、調子に乗りすぎるのさ。ほんと目障りな奴だ。さて次はお前だ」
 Jはレイに銃を向けた。
 それはいとも簡単に、躊躇わずにあっさりと銃口が轟いた。
 その時、ライアンの目には全てがスローモーションに映り、レイが床に膝をつけて崩れていくシーンが夢見心地のように流れていた。
「レイ!」
 ライアンが叫んだとき、レイの腹から真っ赤な血がじわりじわりと広がっていた。
 ライアンは我を忘れ、後先考えずにレイの元へと四つん這いに必死に体を動かした。
 Jはそれを見ながら愉快に嘲笑っていた。
「レイ、レイ、しっかりしてくれ。なんで俺なんかのために犠牲になるんだよ。オレのこと嫌いな癖にさ」
「ああ、お前の事は嫌いさ。だがエレナがお前の事が好きなんだよ。ずっと昔から」
「えっ、俺の事が好き? ずっと昔から? レイ、何言ってんだよ」
「お前は昔エレナに会っている。エレナが小さかった時から、お前はすでにエレナの心を掴んでしまった。本人もそれがライアンだと気が付いていないだろうが、心のどこかで感じるものがあったんだろう。だからまたお前に会ったときに、再び恋に落ちてしまったのさ」
「俺が昔エレナと会っていた……」
 今の状態では冷静になることもできず、ライアンは何も思い出せない。
 レイは苦しそうな表情で呻声をあげ、咳込み血を吐いてしまった。
 このままではレイは本当に死んでしまう。
 Jはまだ銃口をこちらに向けている。
「もう無意味な殺しはやめてくれ!」
 ライアンは悲痛の叫びを上げた。
 Jはそれを面白がり、ニヤリとして指先を動かそうとしたその時、何かがガラス張りの窓に近づいてくる。
 そしてそれは止まることなく窓に突っ込み、ぶち破ってきた。
 ライアンはレイを庇って身を伏せた。
 あまりにも突然の事に、Jは咄嗟に部屋の端に寄って身をかわした。
 その大きな物体は、窓を突き破ってすぐさま止まったが、予期せぬ状況にJの動きも止まっていた。
 それはカイルの操縦する飛行機だった。
 着陸で充分な距離をとれずにやむを得ず、建物にぶつかってきてしまい、カイルもこの時、コックピットの中で相当慌てていた。
 ライアンはこのどさくさの時、全ての力を出し切り、そして落ちていた銃を拾いに走った。
 今度こそしとめてやる。
 そう思うと、ライアンは銃を手にしたとたん、Jの居る方向に銃口を向けた。
 それと同時にJもライアンに銃口を向けていた。
「よほどの命知らずだな、お前は」
 再び緊張が走り、ライアンはごくりと唾を飲み込み、引き金を引く指が震えた。
 だが、ライアンもJも引き金を引く前に銃声が聞こえ、そしてJの腕が撃たれ銃が零れ落ちた。
「そこまでだ。観念しろ」
 声の方向を見れば、アレックスがドアの入り口に立っていた。
「親父……」
「ライアン大丈夫か」
 その時、ライアンが見た、銃を構えたアレックスは、普段見せない威厳溢れる姿でそこに立っていた。
 それは息子の目から見てもかっこよく見えた。
 息子としてもどきっとするくらい、自分の父親の仕事ぶりには敵わないものがあった。
 ライアンがほっとしている陰で、銃を落としてしまったJだが、まだ勝負は諦めていなかった。
 アレックスに銃を向けられてはいるが、この場を切り抜けるために全く気を許してない。
 床に光るものを見つけ、それが自分のナイフだと気がついた。
 この時、飛行機からカイルが、自分のやらかした失態に何ともいえない顔をして降りてきた。
 そして自分が引き起こした派手な破壊と、銃を構えているアレックス、そして追いやられているJと呆然として銃を持っているライアンを見て、困惑しきっている。
「一体、何が起こってるんだ?」
 さらに見回して、腹部から血を出して座り込んでいるレイを見て驚いてしまった。
「レイ!」
 カイルの行動で一瞬の空気の流れが変わったこの時、Jには最高のチャンスだった。
 素早く、ナイフを拾いそれをアレックスに向かって投げる。
 アレックスはナイフを避ける事はできたが、バランスを崩してしまい、上手く銃を撃てないでいた。
「あっ、親父!」
 ライアンは条件反射のごとく咄嗟にJを撃った。
 Jは身をかわし、勢いつけて壊れた窓の方へと進んで外に出て行ってしまった。
 アレックスは取り押さえるように仲間にすぐに連絡していた。
「くそっ! あいつ逃げ足の速い」
 ライアンは悔しがった。
 だが、ポツポツと血の跡がみられ、ライアンが撃った弾がどこかに当たった形跡が残っていた。
 その血を見たとき、生まれて初めて人を撃ったことに、ライアンは酷い衝撃を受けていた。
 正当防衛としても、例えそれが極悪人だったとしても、ライアンにとっては震え上がるほど、恐ろしいものに感じてしまった。
 すぐさま銃を放り投げた。
 自分の受けた肩の痛みがこの時になって激しく疼きだした。
 レイを振り返れば、息が荒い中、ライアンに向かって笑みを向けている。
 その笑みを見てライアンは救われる気持ちだった。
 その直後、レイは崩れ落ちた。
「レイ!」
 ライアンは取り乱し、必死に名前を何度も呼んだ。
 カイルも側に来ては、レイの脈を取って様子を見るも、芳しくない状態に思えてならない。
 レイの生命力を信じるしかなかった。
「落ち着くんだライアン。早く病院に連れて行かなければ」
「親父! すぐに手配してくれ。頼む。レイを死なせないでくれ」
 アレックスはすでに連絡を取り付けており、救急部隊がかけつけては応急処置を受けながらレイは運ばれていった。
 ライアンの目には全てが幻のように映っていた。
 瓦礫と化してしまった荒れたその部屋で、ここに似つかわしくない飛行機の姿を見つめ、ライアンは全てが終わったごとく自分も無になったように立っていた。
「ライアン、お前の肩も治療しないと」
「そういうカイルも頬から血がでてるぜ」
「一体ここで何があったんだ」
「カイルこそ、なんで飛行機に乗って突っ込んできたんだよ」
「募る話がお互いいろいろありそうだな」
「ああそうだな」
 二人は暗闇の中で、派手に光ってチカチカしている警察車の回転灯を無表情になって見つめていた。
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