第一話 ここから再びヨッシーです。
15
最後までお読み頂きましてありがとうございます。
さて、如何でしたでしょうか、私の初めての仕事は。
雨降って地固まると言ってもいいでしょうか。
まだまだ最初ということで、私も少し手探り状態のところがありましたが、いい仕事したと言われると嬉しいんですけど、よかったら「グッドジョブ」とかなんとか褒めてやって下さい。
しかし、どんな風に感じて頂けたか、ちょっと不安です。
この由香さんの物語はここで終わりとなります。
めでたしめでたしハッピーエンドで、皆さんもこれでよかったかなくらいは思っていただけますでしょうか。
でも実は、ここだけの話なんですけど、あれで終わりじゃないんですよ。
真の結末というのがあるんです。
由香さんは上手くいったと思ってるみたいですけど、本当の所は私騙しちゃったかもしれません。
実際のところ私が由香さんを丸め込んでしまったなどと考えると少し良心の呵責がします。
でも私なりに一生懸命仕事したことには変わりませんよ。
それだけは信じて下さい。
それにまあ、本人が何も気がつかず、あれで満足してるからいいのかもしれませんが。
ここまで言うと、全てを話しちゃいますね。
実は、先日、ばったりと佐藤彰人さんに会いましてね。
思いっきりお礼を言われました。
えっ、佐藤彰人って誰だって?
佐藤由香さんの旦那さんですよ。
私の初めての妄想恋愛の真の依頼人です。
そうなんです。
これは由香さんの物語ではなく、佐藤彰人さんの望んだ世界だったんです。
へへへ、ちょっと驚かれました? (だとこちらも嬉しいです)
彰人さんが、冷え込んだ由香さんとの復縁を求めるために、都合のいいように妄想されたということです。
今までの罪滅ぼしも兼ねてあるので、由香さんが楽しめるようにとあのシナリオをご自身で作ってくれました。
由香さんは確かに若返って恋をしてみたいとは望まれましたけど、それは本気で言ったわけではなく、辛い現実から逃げるために出た言葉にすぎませんでした。
そのため、どこか猜疑心を持ってあの世界に行ってしまったために、素直に楽しめてませんでしたけど、もし本気であの世界を楽しいと感じていたら彼女は現実の世界には戻ってくることはできませんでした。
彰人さんもそれを承知で、言うならば賭けごとのゲームだったんです。
それくらいのハンデもつけないとやっぱり私も面白くないですからね。
しかし見事に由香さんを思いのままに導かれました。
皆さんは志雄トキアを覚えてらっしゃいますか。
最後に由香さんが選んだキャラクターです。
あの名前よく見て下さいな。
シオトキア。どうですか何か感じませんか?
佐藤彰人さんの名前も読んでやって下さい。
サトウアキト。どうですか気がつかれましたか。
塩と砂糖の言葉遊び、そしてアキトは逆さに呼んだらトキアなんです。
実は彰人さんがあの中ではトキアに扮して、由香さんを思うように導いていたという訳です。
私はこのように、人の恋愛を手助けしているという訳です。
依頼人の希望に沿いますから、私に依頼して操る人がもし悪人だったりしたら、もう鉄人28号と同じ状態なんです。
操縦者によって思う世界が作られてしまうってことです。
今回は夫婦間の問題で、とりあえずはハッピーエンドということでよかったです。
どうですか?
私の仕事少しは気に入っていただけましたでしょうか。
少し見方を変えた紹介でしたけど、それは私が捻くれてるもんで、素直じゃないんです。
それでも今回は初めてのことだったので少し抑えてた部分があったかもしれません。
この先は自分も楽しくなるようにもっと工夫して遊んで仕事してみたいです。
さて、次はどんな妄想恋愛が待っているのか。
なんだかこれが上手くいったので調子乗ってきました。
次はあなたの妄想恋愛を叶えに行くかもしれませんよ。
多少無理なことでもやってのける!
それが私の目標です。
是非次も楽しみに待っていて下さいね。
ではでは、その時までさいなら〜
<第一話 The End>