第四話 恋のハートブレイク殺人事件


 おー、きたきたきた。キーン!
 あっ、どうも、ヨッシーです。
 季節は只今、夏真っ盛りの暑い日が続いてまして公園の木陰の下でカキ氷食べてたんですけど、見事に眉間に痛みがヒットしまして、顔をしかめてたところです。
 ちなみに、これ英語でいうと、ブレインフリーズ(brain freeze)といいます。ちょっとためになりました?
 しかし、なんでカキ氷って食べると頭が痛くなるんでしょう。
 氷よりもさらに温度が低いアイスクリームなんかは、頭痛くならないのに不思議です。
 暑いときといえば、アイスクリームよりもカキ氷の方が食べたくなりますよね。
 そんな時はコンビニで手軽に手に入る『ガリガリ君』なんかもってこいです。
 こんな話はどうでもいいんですけど、本文にも少し出てきますので、一応重要キーワードです。
 しかしセミの鳴き声が煩いですわ。
 でも今行くところがなくて、折角構えたオフィスも借り手が見つかったみたいで、出ていかざるを得なくなりました。
 いい場所だったんですけど、勝手に無断で拝借してたので仕方がないです。
 そのうちまた新しい所見つけます。
 とりあえず今は転々として渡り歩きながら、自然の中もいいなと公園の隅でゆっくりしてます。
 皆さんじろじろ見て前を通り過ぎていかれるんですけど、怪しいものとも思われてもいけないので、その時は懐から風船を取り出しまして、ねじっては動物の形や帽子なんか作って群がってくるお子さん達に配ったりしてます。
 シルクハットにタキシードの姿ですからお陰で大道芸人とすんなり思ってもらえるみたいです。
 時々「おじさん、そんな格好して暑苦しくないの?」とか子供に言われちゃいますが、私元々妖精ですので人間と違って体温調節が自分でできるんです。
 それよりもおじさんと言われたことにムカっとして頭に血が上っちゃいまして、それでそれを冷やすために大盛りカキ氷食べてたんです。
 因みに宇治金時ミルク掛け、白玉添えのデラックス版食べてます。
 シャクシャク、ぱくっ。あー美味しい。でも、またキーン。
 これもまた夏にしかできない、至福の瞬間ですね。
 しかし、周りを見たら皆さん暑そうに汗をかいてらっしゃいます。ギラギラと太陽も照って眩しいのなんの。
 真夏の眩さ、鮮やかなコントラスト。聞こえはいいですけど、炎天下の下では熱中症も発生しますから要注意です。
 夜になっても湿気のせいで温度がこもって下がらないから、むむっとしますけど、これが『日本の夏!』な感じがして、私は好きです。
 それで、この蒸し暑い夜中フラフラしてたら、それこそ変質者に良く間違われまして、すれ違う人早足で逃げていかれます。
 なんかショックですけど、夏は痴漢が多いですし、物騒な事件も起こらないとはいいきれませんから、警戒されるのも分かります。
 また変質者と思われてもこまるので、カムフラージュとして街角の一角に小さなテーブルを設置して布を被せ、さらに仄かな光を放つランタンなど置いて占い師に化けたりして、街行く人々を観察してました。
 そうすると違和感ないみたいで、皆さん気にも留めずに、私の前をスタスタ歩いていかれます。
 これはいいわと、暇つぶしに座っていたら、時々悩みを持って占いに来る人もいて、商売になってしまいました。
 私、本物の占い師ではないですから、その時は適当にあしらうんですけど、これが結構楽しかったりもします。
 中には恋の相談なんかもあって、占い師に化けたお陰で面白そうなお題見つけました。
 前置きが長くなりましたけど、それでは早速本題にとりかかりましょうか。
 今回は姉妹で同じ男の人を好きになってしまったお話を紹介しますね。
 ちょっとスリリングな展開というのか、私もやはりそういう手助けをする運命だったのか、これまた一騒動起こしてしまいました。
 タイトルに『殺人事件』と入ってますが、キーワード的にちょこっと死体のない殺人事件という話が出てくるだけで、本格的なミステリーじゃないです。
 でもちょっとした謎が絡まってくるので、大げさにそんなタイトルをつけてしまいました。
 それでは、助手君、この後の説明宜しく。
 私はこのカキ氷をその間に食べてしまいましょう。
 ではまた後ほどに。
 (しゃくしゃく、ぱくっ、おっ、キーン!)
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