第五章

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 夏休みはあっと言う間に駆け抜け、二学期が始まった。
 すぐに催された席替えと共に、近江君の席が消えた。
 常にいつも一人で座っては、本を読んで勉強をしていた近江君。
 痕跡が消えても、私だけはその姿が目に焼きついていた。
 たまに行く図書室も、本棚の前で近江君が立っている姿を思い出す。つい感情が溢れて涙が出てきてしまう。
 どこか感傷的に浸り、それに自分が酔っているようにも思えて、私は頭を振って気を取り直す。
 それから気を紛らわそうと本を見ていたら、何気に手にした本にとても魅了された。私はそれをすぐさま借りた。
 その本に載っていたことを、自分でもやりたいと思い、本に書いてあった通りに色々と計画を進める事にした。

 二学期は運動会、文化祭があり、クラスみんなで一致団結しなければならないイベントがある。もしここに近江君がいたら、どんな風に参加していたんだろうと思う。
 私が近江君の事を考えてボーっとする度、希莉と柚実が思いっきり絡んでからかってくる。でも二人の心遣いは嫌じゃなかった。
 二人と話しているとやっぱり楽しいし、自分の事第一に行動できる。
 最後は思い出に浸っていても仕方がないと、目の前の事に集中しやすくなるから、その二人の絡みは充分私を助けてくれていた。
 近江君も今頃は必死で勉強していることだろう。
 必ず考えがそこへ辿りつくので、私も影響されるように常にやる気が出てくるから不思議だった。
 少し少しのコツコツした歩みでも、その将来を決める大きな力となる。私も怠るわけにはいかなかった。
 この時期、部活も板についてきて、自分がサッカー部のマネージャーであることに誇りが持てていた。沢山の男子生徒の中に入って色んな事をやっているうち、内気な部分も消えて、積極になってきたように思う。
 実際まだまだ抜けてる事もあるが、そこは愛嬌として寛大に見てもらってる。
 それよりも、サッカーがとても好きになって、試合を見てるとものすごく興奮する。生き生きと真剣にボールを追いかけている姿がみんなかっこよくて、そんな部員の世話をしてる事に優越感を感じてしまうほどだった。
 そういう時が一番隙があって、恥かしい痛いことをしてしまいそうで、私は気をつけようとぐっと抑制する。
 でもみんなからマネージャー、マネージャーと頼られると嬉しく、色々こなしているうちに私も生意気になったかもしれない。
 実際、希莉と柚実からは、ふてぶてしくなったや、貫禄がついたなんて言われる。
 一学期におどおどしていた私が嘘のように、三人の中で一番リーダーシップを持って動いていた。
 そんな時、他のクラスの男の子から「好きです、付き合って下さい」なんて告白されて、私は驚いた。
 どこで私を見ていて、私の何が気に入ったのか、気になる。
 だから素直に質問してみたら、答えが「なんとなく好みだから」と照れて顔を赤らめていた。
 蓼食う虫も好き好きだと思ったが、なんとなく好みといわれて、こっちは嬉しくもなかった。
 就職活動の面接で動機は何かと聞かれたら、しっかり答える大切さをいきなり悟ったくらいだった。
 まずは気持ちは嬉しいと建前上伝え、そして丁寧にお断りした。
 それから、向こうは気まずくなり、どこかで私を見るとそそくさと隠れたり、挙句の果てに逆恨みで睨まれるようにもなってしまった。
 人間の気持ちの複雑さをまた一つ学んだように思えた。

 二学期も過ぎていけば、気温も寒くなり年末も近づく。
 そして年を越せば新たな幕開けと共に、三学期が待っていた。
 その頃は高校一年生も終わりに近づき、時の流れの速さを感じた。
 たった一年しかないとアメリカに行く前から焦っていた近江君の言葉を思い出した。
 こんなに時が経つのを早く感じると、やっぱりこの時も必死に勉強している近江君を想像せずにはいられなかった。
 最後の最後まで私も気が抜けない。
 私が次、二年生になる時は、また新たな一年生が私の時と同じように入学してくる。
 私みたいに意気込んでやってくるのもいることだろう。
 あの時の初々しい自分がとても懐かしく思えてしまった。空振りだったとしても、あの意気込みがあったから、近江君と出会えたのかもしれない。やっぱり大切な思い出だった。

 やがて春が来て、二年生となり、新しいクラスに振り分けられた。私は希莉と柚実と離れてしまい、ショックを受けた。
 クラスが変わっても私達の友情は変わらないとか言ってくれるけど、自分一人だけが離されるのは疎外感を感じる。
 だけど焦りといったものはなく、冷静に受け止められた。以前の私ならこうはいかなかっただろう。
 新しいクラスに入り、ここでどんな友達ができるのだろうと思っていた矢先、加地さんがそこに居てのけぞった。
 神様は私にとことん試練を与えたいようだ。
 でも、例え一人になろうと私は堂々としていられるような気がする。ボッチでも構わないという肝が据わった気持ちがあった。
 そういう覚悟をしていたが、不思議と人が私の周りに集まってきた。
 なんとかこのクラスでもそこそこ楽しくやっていけそうな気になった。
 サッカー部で一緒の気弱な落合君も同じクラスになり、この落合君が急激に身長が伸びて体が引き締まり、しゅっとしてかっこよくなっていた。
 サッカーボールを追いかけている時は誰よりも鋭く、しつこく相手に付きまとうから、その活躍ぶりが目立って女子のファンが急上昇中だった。
 落合君もレギュラーを手に入れたことで自信がついたのか、少し貫禄が出ている。ここでも一人変化を遂げた。
 サッカー部にも新たな一年の部員が入ってきて、マネージャーになりたいと名乗りを上げる女子たちもいた。
 新しい制服に包まれて初々しく、あどけない子供っぽさが伺える。
 キャーキャーとしたミーハー的な部分もあるが、まあいいだろう。
 そんな女の子達から、「先輩、先輩」と呼ばれ、変な気分だった。
 私はこの子たちの目からみたらどんな風に見えるのだろう。うかうかとしていられない、先輩としての矜持が急に湧いてきた。
 私でもこんなに変化を感じるくらいだから、近江君は一体どんな風に変わっているのだろうか。
 思いっきりアメリカ被れして、『ミーは……』などといい始めたらどうしよう。
 近江君が戻ってくる日が迫るにつれ、今度は会うのが怖くなってくるようだった。
 すでに忘れられて無視されたら…… 別人のようになって原型を留めてなかったら…… 自分と同じ場所を目指してなかったら…… 何の連絡もないから不安だった。
 もし、そうだとしても、私はこれまで自分で選んだ道を進んできた。
 後悔はないし、反対にとても充実して有意義だったと思う。それは近江君という存在があったから、それを目指して頑張ってこれた。
 これが近江君が言っていた、自由でなければならないってことだと、今ならとても理解できる。
 近江君がどうであれ、私は自分がやってきたことに自信を持っていた。
 色々心配する前に、私は堂々と自分の姿を近江君に見てもらいたくなった。

 時は立ち止まることなく過ぎて行き、いつの間にかブンジの一周忌を迎えた。
 悲しみもすっかり癒え、ブンジの遺骨も私の机の端でデコレーションのようになってしまった。少し埃も被っている。ごめん、ブンちゃん。
 でも、ブンジの事はいつまでも大好きだった。ずっとずっと心に残る猫であることには変わりない。
 そして私は近江君が戻ってくるまでにやらなければならない事がある。これだけは計画してずっとやってきたことだった。
 
 近江君とは誰もが音沙汰なしだったが、草壁先輩宛に櫻井さんからは時々連絡が入ってたらしい。
 そこにちょこっと近江君の事も書いてあり、とても積極的にクラスで馴染んで人気者だとあったそうだ。
 櫻井さんも、日本のビューティとして、デートの誘いが多く、気軽にそれを楽しんでいるらしかった。
 それを聞いた時、私は心の中でガッツポーズをとっていた。
 だけど、同じく近江君も色んな女の子とデートしていると知って、カウンターパンチを食らった気分になった。
 だから自由を強調したのかと顔を歪ませて納得した。
 これでは金髪の青い目の彼女ができていてもおかしくない。
 近江君のその先の道はどこを向いているのだろう。
 私はブンジの写真を見つめ、ため息を吐いた。
 櫻井さんからの情報では、近江君は7月に戻ってくることになっていた。
 櫻井さんは少し旅行を楽しんでから帰ってくるらしい。
 七月のいつ戻ってくるのだろうか。カレンダーを見てはドキドキとしてしまった。

 そして七月。夏の風物詩の蝉の声が煩く鳴き出し、梅雨明け宣言もまじかになったとき、期末試験が始まった。
 寝不足の日々が続き、必死になって受ける。
 最終日の試験が終わった時は、気が抜けて溶けていきそうだった。
 それぞれが「終わった」と叫んでいる。
 今日はゆっくり寝られると私もほっとして、そしてこの暑さにだらけていた。
 帰り支度をしているところに数人が集まってきた。
「千咲都、今からカラオケ行くけど、一緒に行かない?」
 私は疲れていたので「また今度」と断った。
 外の天気はとてもいい。青空が広がり、ギラギラと太陽が照っていた。下駄箱で靴を履き替えた後、外に出れば眩しくて目を細めてしまう。
 強い日差し、じりじりとする照りを肌に感じ、ふっと熱いと息を洩らした。
 周りはテストが終わって軽やかな足取りで友達と帰っている。恋人とこの暑い中、更にいちゃいちゃして熱くなってるカップルもいた。
 校門でかっこつけて彼女を待っているような男子生徒もいる。その彼女らしき子が走って後ろから私を抜いていった。
 皆さん青春を謳歌していい事だと思っていると、走っていった女の子はその先を歩いていたグループに合流しただけだった。
 私がその待ってる男の前を通って校門を出ようとしたら、男が不機嫌に話し出した。
「おいおい、無視かよ」
 「えっ」と思って振り返れば、なんだか見たことあるような、ニカっとした笑顔を私に向けた。
 知っているのに、すぐに認識できない不思議な感覚で、徐々に記憶とその顔が一致すると、私の胸がドクンと大きく波打った。
「近江君! 嘘っ」
「やっと思い出したのか。ひでぇな、俺の事忘れてたなんて」
「だ、だって、その髪」
 あのダサかった短い髪のイメージしかなかったから、髪が伸びてイケメンになっている姿など想像してなかった。
 そこに自信が溢れているから、とても落ち着いて大人っぽく見え、私が知っている近江君と違っている。
「髪ぐらい伸びるだろ。ずっとあのままだと思ってたのか」
「だって、あれしか見てないんだもん」
「遠山の髪だって、伸びてるじゃないか、しかも体も丸みを帯びて、出てるとこ出てきたじゃないか」
「やだ、どこ見てるのよ」
「怒るなよ、褒め言葉だぞ。だけど、俺に食いかかってくるところは変わってないや。安心した」
「何よ、さっさと去って行ったかと思ったら、突然現われたりして」
「言っただろ俺は自由だって」
「それで、ちゃんと英語、物にしたの?」
「ああ、なんとかな」
「楽しかった?」
「もちろん。遠山は?」
「私だっていい一年だったわ」
「そっか、よかった」
「これからどうするの?」
「とりあえず、先生に挨拶してくる。そして今後の進路について相談してくる」
「また一年生のクラスに戻るの?」
「いや、それをすると俺は二年の遅れになる。だから二年生のクラスに入れてもらう。そのための遅れを取り戻すため、この夏は必死で勉強するよ」
「また勉強なんだね」
「仕方ないさ、自分が選んだことだからね」
「また同じクラスになれるといんだけど……」
「そうなるように先生に一応リクエストしてみるよ」
 そんな事がまかり通るんだろうか。でもさらっと言ってくれたことが嬉しい。
 近江君は気ままに校舎に向って歩き出したので、私は引き止めた。
「近江君」
「なんだよ」
「ずっとヘルメット借りたままなんだけど」
「ああ、あれか。いつでもいいよ」
「いつか取りに来て」
「おいおい、俺が取りにいくのかよ」
「だって、学校にもってこれないでしょ」
「それじゃ、今日、用事が終わったら取りに行くよ」
 近江君はそういい残して行ってしまった。
 なんだかあっけない再会だった。もっと感動でお互い感激してもいいものなのに。
 例えば抱きしめてくれるとか…… アメリカではハグは友達同士でもすることぐらい私でも知ってるのに。
 そこまでアメリカナイズされてないのだろうか。
 近江君の後姿にしかめっ面を突きつけ、物足りない気持ちを陰でぶつけといた。
 近江君とすれ違った女子高生達が、近江君を振り返ってコソコソ話してる姿が、その時目に入った。
「今の人、何年生だろ。かっこよかったね」
 女の子達がキャッキャしているのを見ると落ち込んでしまう。
 やっと帰って来た近江君なのに、とっても遠いところにいるように思えてならなかった。
 しかし、こんな事してる暇はなかった。近江君が家にやってくる。
 私は急いで家路に着いた。

 家に戻ってから、この日のために用意していたものを取り出した。
 図書室で偶然本を見つけてから、興味を持って、そして見よう見まねでやってみたものだった。
 まだまだ練習が必要だが、初めてにしてはかなり良くできたと思う。
 それを出窓のところに置いた。
 それは羊毛フェルトで作った猫のぬいぐるみだが、ブンジを模して作ったものだった。ほぼ実物大だから、ここに飾ると在りし頃のブンジが居るように見えた。
 近江君はこれを見てどう思うだろうか。
 私はブンジのぬいぐるみと一緒に近江君がやってくるのを待っていた。
 あれだけ青い空が広がっていたのに、出窓から覗いた空模様が、あやしく曇ってきて一雨来そうだった。
 そしてポツポツと大粒の雨がガラスに付着したかと思うと、あっと言う間に激しく叩きつけた。
 夕立だ。遠くでは雷もゴロゴロと低く轟いている。
 すぐに止むだろうけど、近江君がこの時こっちに向かっていないか気になった。雨が叩きつけられている出窓を覗いて心配してしまう。
 出窓の雨の滴が激しく流れていく。ブンジも雨の日はこの滴を目で追っていたのかもしれない。
 滴だけを見ていると、次から次へと生まれてくる小さな生き物のように見える。それは下に流れていくと他の滴も巻き込んで、一本の線となって滑っていく。
 激しさも落ち着き、次第にその滴の流れが弱まってくると、西の空が明るくなりだした。
 また日が差してきた頃、バイクの音が近づいてくるのが耳に入った。
 ハッとした後は、ドキドキと激しく落ち着かなくなった。バイクのエンジン音の響きが胸の鼓動と共鳴する。
 そして出窓の前でその到着を待ち侘び、懐かしいバイクが家の前で停止した。来た──
 私は急いでタオルを手に取り、そして外に飛び出した。
 近江君はフェンス際に置いたバイクの前でヘルメットを脱ぎ、「参った」と顰めた顔をしているところだった。
 そんな顔ですら、髪が伸びた今の近江君だとかっこよく見えて、私の胸はドキドキと高鳴っていた。
「うわぁ、びちょびちょ」
 タオルで近江君の体をふいてあげた。濡れたシャツが背中にへばりついている。かつて私もしがみ付いた背中。その背中が一段と大きくなったように思えた。
「あのさ、なんだか、ブンジがあそこに座ってるように見えるんだけど」
 出窓に指を差す近江君に、私は力強く答える。
「そう、ブンジは見ている」 
 近江君はじっくり、出窓に座っているブンジを見つめた。ぬいぐるみだと分かっただろうが、あたかもブンジとみなしていた。
「そっか、ブンジは見ているのか……」
 思量深く、意味ありげに呟いたその近江君の声は私の耳にさらりと届くが、私の胸にはずっしりと響いていた。
 私も近江君も自然とお互いを向き合い、そして私達は見つめあった。
 近江君のまっすぐに私を見つめる瞳が優しい。それを私も素直に受け止めてしまう。
 私達は言葉にできない思いを確かに胸に秘めているのに、どちらも言葉にしようとしなかった。それともする必要はなかったのかもしれない。
 あの時、炎天下だというのに、学校にやってきた近江君はすぐに校舎に入らずに校門でずっと立っていた。その意味を考えれば自然とそれは一つの答えに行き着く。
 私を待っていてくれた。
 あれから一年。私達は道しるべに向かって進んできた。そして再会できた、いや、再び会うためにこの一年を過ごしてきたのだ。
 それがこの時点で一番重要なことなのじゃないだろうか。
 だけどまだまだここは通過点。始まりにすぎない。だったら、ここからこの先はどう進めばいいのだろう。
 言葉にならない思いは一杯あるし、それをなんとか伝えたいとぐっと込み上げて私の口許を震わす。でも大げさに話し合うのも照れくさいし、感動的に盛り上げるのもわざとらしい。
 私はただ、少しでも長く、近江君と一緒に居たかった。
 だからとりあえず、家の中に誘ってみた。
「ほら、上がって」
「いいよ、別にここで」
「遠慮するんじゃないの。それに父なら今出張で暫く帰ってこないから。母も買い物で留守だし、弟もまだ家に帰ってきてない」
「でもかなり濡れてるし」
「だからいいっていってるでしょ」
 濡れている事で、汚すことを気にして家に上がるのを憚っているに違いない。
 私が嫌がる近江君の腕を引っ張っていると、すぐ側でタクシーが停まり、暫く間をおいた後、出張から帰りたての父が降りてきた。まさかこのタイミングで帰ってくるとは思わなかった。
「お父さん!」
 私が驚いている側をタクシーがすーっと通り過ぎ、父が目を凝らしながら近づいてきた。
「千咲都、その男は誰かね」
 父は訝しげになりながらじっと見ていた。
「近江君よ。やだ、忘れたの」
 一瞬父の目が見開く。
「どうもご無沙汰してます」
 何やらややこしくなりそうで、近江君は逃げ腰になっていた。
 そこに父がずんずんと近江君の前にやってくるから、近江君は自分のバイクを気にしつつ、再びあの時の事を思い出して畏怖していた。
「あの、用事があって寄っただけで、それにもう帰るところですから」
「何を言ってる。まあ、上がっていきたまえ。見たところずぶ濡れじゃないか、服ぐらい乾かしていきなさい」
「あの、その、ちょっと」
 近江君は父に背中を押されて家の中へ押し込められていた。
 思いもがけない展開に私の方がびっくりしてしまった。
 その一部始終を出窓からブンジも見ていた。
 父の帰りを早めたのはブンジかもしれない。私はブンジと顔を合わせ、お導きに感謝した。これもやっぱりサインだね、ブンちゃん。
 先ほどの激しい雨はポツリポツリとするだけで殆ど止んでいるといってもよかった。夏の強い西日が差しこみ、濡れて水滴がついてるものを全てキラキラと輝かせている。
 その光は眩く天からのお告げのようにまっすぐ私に降り注いでいた。
 空を見上げ、そこに何かのサインが現われてないか確かめるように、私は眩しい光に目を細めて虹を探していた。


<The End>
 


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これを最後までお読みいただいてありがとうございました。
面白いと思っていただけたら幸いです。
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