第二話 異世界に転生!モテモテ夢のハーレム
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ども、ヨッシーです。
またまたお会いしましたね。嬉しいことです。
少しは私に慣れていただけたでしょうか。
いつか『ヨッシーのファンです〜』なんていってもらえるようになるのが私の目標です。
でもまだまだそれも遠そうです。
だけど頑張ってますのでよかったら応援してやって下さいね。
それで、もう少しきっちりしたものに見えるように今回オフィスを構えてみたんです。
といっても、寂れた三階建ての小さなビルなんですけどね。
そのビルの一階にあったテナント募集の部屋を妄想恋愛相談所として拝借しました。
ここを借りたい人が現れるまで、無断で使ってます。
ちょっと魔法が使えるので、家具や装飾品はちょちょいのちょいで簡単に用意できて、都合が悪くなったら消してとんずら出来ますから堂々と無賃で借りてます。
今のところ誰も何も言ってこないし、このビルのオーナーも気がついてないみたいです。
ここは通りに面した正面がガラス張りになっていて、道行く人々が見渡せます。
今日も沢山人が行き交ってます。
でもここに私が居るなんて気がつく人いません。
ここがなんの場所かも興味ないみたいです。
というのも、表からみれば中はがらんどうでテナント募集中の空き部屋にしか見えないんです。
今、窓際で座り心地のいいふかふかのソファを置いて、そこでホットココアのカップをもって座って外を眺めてます。
ホイップした生クリームもたっぷり添えてますから、これが美味しいんです。
そんなことどうでもいいんですけど、こうやって優雅なときを過ごしているという訳です。
ぼーっと座って、人間ウォッチングをしているのが楽しいという訳じゃないんですけど、私ね、前にもいいましたけど色んな人の妄想が見えるんですよ。
その中で面白そうな妄想してる人を見つけたら、その人だけにこの場所が何であるかアピールするんです。
もし、その妄想を現実にしたいと強く望んでいる人ならば、私の存在が見えて、そして知らずとすがってくるもんなんです。
普段から願いを叶えてくれる人がいればいいとか、誰かに助けて欲しいと切に願ってる人、または私を見て何かを感じ取る人など、ピンときたら寄って来るんです。
まあ、そう仕向けてるんですけど。
だけどフィーリングがぴったりと合う人っているもんですよ。
そうなると、ちょっと頑張ってみようかな〜なんてこっちもモチベーションがあがりますし、今のところはこうやって願いを叶えてあげる人を見つけてます。
あまり宣伝して、どーっと人が押し寄せてきても困りますからね。
私も体力もちません。
まずは切羽詰った人とか必死な人、強く私を望んでくれる人優先したくなります。
私としても人助けできたら、なんていうのか『私、すご〜い!』っていう満足感で心満たされますし、役に立ったという自分の力のすごさを実感できてやっぱり気持ちいいもんなんですよ。
依頼主もそれなりに私に頼ってくれないと信頼関係ってものもありますし、その為には生半可な妄想じゃ実現してあげられないってことなのかもしれません。
だけど今回はちょっと苦労というのか、私にはチャレンジでした。
始めていきなり、こういう窮地もアレなんですけど、まだ慣れてないということで仕方ないのかなと、最後は開き直ります。
とりあえずはちゃんと仕事したので当のご本人は満足されたんですよ。
でも果たしてこれでよかったのか──。
そういう疑問は前回もありましたけど、まだまだ慣れてない部分ってところがあるんでしょうね。
それではどういう妄想恋愛だったのか、一先ず見てもらいましょうか。
ではでは、また後ほどに。