第二話
18
どうも、ここから再びヨッシーです。
今回はなんとも後味の悪い結末となってしまいました。
やっぱりこれって私のせいなんでしょうか。
皆さんはどうか私を責めないで下さい。私も一生懸命やってのことだったんです。
確かに妄想を叶えると豪語してますけど、私もなんでもありかと思ってもらうとやっぱり困るんです。
いきなり現実にアニメや漫画そのままの姿で人物が出てくると思いますか?
やっぱり無理があるでしょ。
二次元は二次元、三次元は三次元なんですよ。
私も最初のところで吾郎さんの機嫌を損ねてつい焦りも入って、あんな禁じ手なんか使ってしまいました。
夢落ちなんて、もうほんと最悪です。
でもやっぱり、今回もこの話の続きがありまして最後まで話させて下さいね。
この後、吾郎さんのお葬式にいってまいりました。
ご両親は悲しみにふけっておられて、心苦しかったです。
あとお姉さんとも少しお話をさせてもらったんですけど、良心の呵責から正直にお話させていただいたんです。
それでも私は全く責められませんでした。
懐の大きいお姉さんでした。
その後、お姉さんは悲しみを乗り越えられて、吾郎さんのことで落ち着かれたときにご結婚されるんですけど、その時私も結婚式に呼ばれました。
ご祝儀なんて大金払えないし、断ろうとしたんですけど、とにかく何も気にしないでお祭りみたいなものだから楽しんでもらいたいと切に願われまして、それならばと参加させてもらいました。
それはそれは豪勢な結婚式でした。
相手の方が由緒ある資産家のご子息で、聞こえは悪いかもしれませんが玉の輿でした。
弟の吾郎さんが亡くなられて悲しんでいらっしゃるときに、大いに支えられたらしいです。
それはそれは幸せで、こんな現実の愛を見せられると、妄想恋愛を叶えるなんて調子こいて言っている私は恥ずかしかったです。
だけど正直申しますと、今回の本当のご依頼人は実はこの吾郎さんのお姉さんだったのです。
事務所を構えてすぐに私の存在に気がつかれた方でした。
自分の恋に大いに悩んでいらっしゃってたんですけど、そこに弟さんに恋をして欲しいと強く願われてたので、私も興味を持って見ていたら窓のガラスを通して目が合ったという訳です。
そこで妄想恋愛相談所という看板をちらつかせると、これ私が手で持って見せてたんですけど、お姉さんは藁をもつかむ思いで飛び込んでこられました。
そしてお話を聞かせてもらったんですが、お姉さんは当時今の旦那さんになる方とお付き合いされていたけど、家の事を調べられたらニートで引きこもりの吾郎さんがいらっしゃることで破談になると思われたみたいです。
そこで、なんとかして弟をまともにしたいと、恋でもすればお姉さんの気持ちも分かって心を入れなおしてくれるかもと望を託して私に弟さんの妄想を現実にして欲しいと頼まれたんです。
こういうのも珍しいんですけど、お姉さんに頭を嫌と言うほど下げられまして私もそれじゃお手伝いさせて頂きますということになりました。
吾郎さんに会えば、とても強い妄想だったのでこれは楽勝だと思ったんですけど、私の読みが甘かったという訳です。
あまりにもオタクネタすぎて現実にするのが難しいと気づくのが遅かった。
やっぱりこれは私の力不足ですね。
はい、反省してます。
でもお姉さんはお優しくて反対に私を励ましてくれたほどでした。
お陰で救われました。
えっ、お姉さんは吾郎さんがいなくなったことを喜んでいるですって?
まさか、そんなことはないでしょう。
でも、結婚式に呼ばれたのがそのことでの感謝の気持ちだったとしたら…… あっ、いえ、そんな滅相もない。
とにかく、私は吾郎さんが本当に異世界で転生して新しい人生を歩んでいることを心から願ってます。
皆さんもあまり妄想に走りすぎて無茶をなさいませんように。
私が言えた義理でもないんですけど。へへへ。
ではでは、今日はこの辺で。
次はもっともっと頑張ってハッピーなものにしたいと思います。
これに懲りずにまた見に来て下さいね。
<第二話 The End>